定量条件
刀が独自指標で全社を計算する。
- 有報に「量子」を含む
米国防高等研究計画局(DARPA)が、量子コンピュータの最終審査に6つの方式を残した。方式がまだ決まらない中、量子コンピュータ関連銘柄で、もう売上が立ち始めた会社はどこか。刀は有報に「量子」と書く69社に絞り、AIが一社ずつ読んで、5社を支持した。
量子コンピュータは、原子や光の粒がもつ性質を使って計算する機械だ。新しい材料や薬の候補を探す計算のように、今のコンピュータでは時間がかかりすぎる問題を速く解けると期待されている。
米国防高等研究計画局(DARPA)は10月7日、量子コンピュータの評価事業の最終段階に、IBM・IonQ・Atom Computing・Diraqの4社を進めた。先に進んでいたMicrosoftとPsiQuantumを合わせた6社の方式は、超伝導、イオン、中性原子、シリコン、トポロジカル、光と、すべて違う。事業は、2033年までに計算の価値がコストを上回る量子コンピュータを作れるかを問う。
方式は決まらないが、量子コンピュータはもう売れている。IonQの4〜6月期の売上は8,010万ドルと、前年の約4倍になった。買い手は国や研究機関が中心だ。日本でも、富士通が2024年に産業技術総合研究所から超伝導量子コンピュータを受注した。経済産業省は量子コンピュータの産業化に向けた事業に、補正予算で1,004億円を確保した。
日本の会社は、複数の方式に手を広げている。富士通は9月、超伝導に加えて、ダイヤモンドスピン方式の試作機の開発と、中性原子方式のYaqumoとの実機検証を発表した。NTTは8月、光方式のOptQCに出資し、2027年度から実機の供給網づくりでも組む。部品の側では、オキサイドが中性原子方式の量子コンピュータ向けに、302nmのレーザの出荷を始めたと有報に書いている。
“We want companies that currently earn revenue from products or services for quantum computers, such as the machines themselves, their components, lasers, refrigerators, manufacturing equipment, software or cloud services, and that report a concrete step in the latest fiscal year, such as sales, orders, a product launch or shipments.”
日本語訳:量子コンピュータ向けの製品やサービス(実機、部品、レーザ、冷凍機、製造装置、ソフトやクラウド)でいま売上を立てていて、直近の年度に売上・受注・発売・出荷のような具体的な一歩を有報に書いている会社を探したい。
有報に「量子」と書く会社に単語条件で絞り、この企業像を2つの問いにして英語で入れ、問いの順にAIに有報を読ませた。
刀が独自指標で全社を計算する。
AIが有報を一社ずつ読み、支持と反証を判定する。
問いは英語で入れ、上から順に判定した。
有報の文章を読み、5社を支持した。
69社の判定は、支持5社・要確認18社・反証あり46社だった。以下は、実機と部品、ソフトとシステム、要確認から加えた製造装置の順に並べた6社。
「量子コンピューティングでは、256量子ビット機を開発し、2025年度第1四半期に提供を開始しました。」有報を見る ↗
「極低温・真空機器につきましては、超電導型量子コンピュータの冷却装置である希釈冷凍機の予冷用途で使用されるパルスチューブ冷凍機において、1.5WクラスRP-182シリーズの「空冷オプション」をリリースしました。」有報を見る ↗
「量子コンピュータ向けでは、量子状態を制御する302 nmレーザの製品化・出荷を達成し、さらに異なる波長のレーザの開発にも着手しております。」有報を見る ↗
「量子コンピューティングクラウド「Fixstars Amplify」においては、高い専門性が要求される量子コンピュータ向けプログラムを、より容易に取り扱うことが可能なサービスを提供し、組合せ最適化問題を中心としたお客様の課題解決に取り組んでおります。」有報を見る ↗
「また、当社はグループ会社のデジタルテクノロジー株式会社をはじめとした合同チームを組織し、理化学研究所が主体となって進める「量子HPC(注1)連携プラットフォーム向けスーパーコンピュータ」システムの構築を受注しました。」有報を見る ↗
「(洗浄装置)「化合物半導体分野」では半導体レーザーの加工でのフォトレジスト除去用途、「電子部品分野」では量子デバイスの加工での洗浄用途などでの販売があり、832百万円(前期比21.4%増)となりました。」有報を見る ↗
なお、要確認から加えたサムコは、量子デバイスの加工に使う装置の販売を有報に書いている。浜松ホトニクスは量子分野に中核デバイスを提供していると書くが、直近の年度の一歩は国の研究事業への採択で、反証ありだった。NTT・日立製作所も、量子コンピュータは研究開発の段階と書いており、反証ありだった。
有報に「量子」と書いた69社のうち、量子コンピュータの製品やサービスで売上の一歩まで書いていたのは5社だった。どの方式に効くかで分けると、超伝導が2社、中性原子が1社、方式を問わないソフトとシステムが2社になる。
| 方式 | 会社 | 有報に書いたこと |
|---|---|---|
| 超伝導 | 富士通 | 256量子ビット機を提供 |
| 超伝導 | 住友重機械 | 予冷用の冷凍機を発売 |
| 中性原子 | オキサイド | 302nmレーザを出荷 |
| 問わない | フィックスターズ | 量子向けクラウドを提供 |
| 問わない | DTS | 理研の量子HPC用スパコンを受注 |
超伝導の2社は、同じ方式の中で役割が分かれる。富士通は機械をつくり、住友重機械は機械を冷やす冷凍機を売る。超伝導方式は絶対零度の近くまで冷やす必要があり、量子ビットを増やすほど冷やす装置も大きくなる。富士通も、大規模化の課題の一つに冷凍機の大きさを挙げている。
中性原子方式は、原子をレーザで並べて操作する。だから、レーザの会社に注文が出る。DARPAの最終段階には、中性原子のAtom Computingも残った。一方、光方式は室温で動くので、冷凍機は要らない。どの方式が勝つかで、伸びる部品の会社も変わる。
つくる側も、方式を1つに絞っていない。富士通は、超伝導で2026年度に1,024量子ビット級を設置する計画を進めながら、9月にはダイヤモンドスピン方式と中性原子方式の取り組みも発表した。NTTは光方式に賭ける。ソフトやシステムのフィックスターズとDTSは、どの方式が勝っても仕事が残る側にいる。
今回探したのは、方式の勝ち負けが決まる前から、量子コンピュータの製品やサービスで売上の一歩を踏み出した会社だ。
刀が独自指標で企業を絞り込み、AIが有報を読んで定性条件を判定する。複雑な仮説・企業像に対し、あなたが一社ずつ行っていた選定を、AIが日本株全体で実行する。
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