定量条件
刀が独自指標で全社を計算する。
- 有報に「核融合」「フュージョン」「トカマク」「ジャイロトロン」のいずれかを含む
核融合は、2040年代に130兆円の市場になると予想されている。核融合向けの部材や機器を、今すでに売っている会社を探した。刀は有報に核融合まわりの語を書く35社に絞り、AIが一社ずつ読んで、6社を支持した。
日本経済新聞は2026年10月2日、政府が核融合(フュージョンエネルギー)を高市戦略17分野の一つに位置づけ、AI時代の電力需要を背景に「130兆円市場」の争奪戦が始まっていると報じた。市場は2040年代に130兆円規模に拡大すると予想され、政府は40年度までに官民で3.1兆円の投資計画を立てて後押しする。文部科学省が9月25日に示した資料でも、政府目標は「世界に先駆けた2030年代の発電実証」だ。
企業の出資も相次ぐ。JR東日本は8月24日、京都大学発のスタートアップ、京都フュージョニアリングの第三者割当増資を引き受けたと発表した。長瀬産業も10月1日、ファンドを通じて同社に間接的に出資したと公表している。日揮ホールディングスやJX金属も、核融合スタートアップへの出資を有報に書いている。
では、出資ではなく、核融合向けの製品を今売っている日本の会社はどこか。刀で、有報から探した。
“Does the company currently sell products, materials, components, or services for nuclear fusion (fusion energy) research facilities or fusion reactor development (e.g., plasma-facing or first-wall materials, superconducting wires or magnets for fusion, power supplies for gyrotrons or plasma heating, vacuum pumps, fusion fuel or tritium handling equipment)? (Exclude cases where the company only invests in or partners with fusion startups, only mentions fusion as a national strategy or future possibility, or only lists fusion among general target markets.)”
日本語訳:核融合の研究施設や核融合炉の開発向けに、製品・材料・部品・サービスを今売っている会社を探したい。たとえば炉壁などプラズマに面する材料、核融合用の超電導線材や磁石、ジャイロトロンやプラズマ加熱用の電源、真空ポンプ、燃料やトリチウムを扱う設備など。核融合スタートアップへの出資や提携だけの会社、国の戦略や将来の可能性として触れているだけの会社、対象市場の一つに挙げているだけの会社は含めない。
有報に核融合まわりの語を書く会社に単語条件で絞り、この企業像を1つの問いにして英語で入れ、AIに有報を読ませた。
刀が独自指標で全社を計算する。
AIが有報を一社ずつ読み、支持と反証を判定する。
問いは英語で入れた。
有報の文章を読み、6社を支持した。
35社の判定は、支持6社・要確認8社・反証あり21社だった。以下は、炉の部材と機器、超電導線材、研究機関向けの機器の順に並べた5社。
「② C/Cコンポジット製品C/Cコンポジット製品は、軽量、高強度およびカーボンの持つ良好な熱特性を兼ね備えた先端材料であり、工業炉部材、単結晶シリコン製造工程、太陽電池製造工程、国内外の核融合炉壁材等の特殊分野等の幅広い分野で使用されております。」有報を見る ↗
「また、同分野の1つ「フュージョンエネルギー」については、フュージョンエネルギーの実用化を目指した原型炉の重要パーツの1つであるジャイロトロンの大電力電源を受注し、設計・生産を進めています。」有報を見る ↗
「高温超電導線材はフュージョンエネルギー開発に必要なプラズマを強力な磁場で閉じ込め、制御するための高温超電導マグネットに用いられ、当社製品を採用したお客様より高い評価を得ています。」有報を見る ↗
「「超電導」については、次世代のエネルギー源として期待される核融合*炉の開発を進める英国の顧客に対する高温超電導線材の供給や同社への出資を通じたパートナーシップの強化などを推進してまいりました。」有報を見る ↗
「エネルギー関連事業におきましては、原子力関係において原子力発電所の再稼働に向けた関連製品や研究機関向け製品、核融合関連製品については溶融金属ループ等の研究機関向け製品が増加したことにより、売上高は2,758百万円(同23.9%増)、セグメント利益(営業利益)は830百万円(同17.7%増)となりました。」有報を見る ↗
なお、支持のうち、島津製作所は京都フュージョニアリングと共同で核融合発電施設向けのターボ分子ポンプの試作機を開発した段階で、売っているとまでは読めないため外した。
詳細な結果を見る結果は2026年10月14日の時点のものです。定性判定には当時の有報を用いていますが、定量スクリーニングには最新の財務データを用いています。
130兆円は2040年代の予想で、発電の実証も2030年代の目標だ。今ある需要は、原型炉の開発や研究機関、海外スタートアップの実験炉に向けた部材と機器になる。
有報もそれを示している。「核融合」か「フュージョンエネルギー」と書いた会社は17社。そのうち、製品を売った・受注したと書いたのは5社だった。残りは、開発や試作の段階が6社(島津製作所、住友電工、MORESCOなど)、スタートアップへの出資や構想への言及が6社(日揮ホールディングス、JX金属など)。
5社とも、核融合の売上額は書いていない。フジクラと古河電工は売上が1兆円を超え、核融合向けの線材は事業の一部だ。核融合に近い事業が売上の大きな割合を占めるのは、売上55億円の助川電気工業くらいで、原子力と核融合を含むエネルギー関連事業が約半分を占める。
| 会社 | 核融合向けに売るもの | 売上高 |
|---|---|---|
| 東洋炭素 | 炉壁材 | 462億円 |
| ニチコン | ジャイロトロンの電源 | 1,697億円 |
| フジクラ | 高温超電導線材 | 1兆1,824億円 |
| 古河電工 | 高温超電導線材 | 1兆3,076億円 |
| 助川電気工業 | 溶融金属ループなど | 55億円 |
核融合の話題で名前が挙がる会社でも、有報で確かめると、出資や開発の段階にとどまる会社が多い。今売っている会社と、これから売りたい会社は分けて見たほうがよい。
複雑な仮説も、独自の銘柄選定も。刀が独自指標で企業を絞り込み、AIが有報を読んで定性条件を判定する。あなたが一社ずつ行っていた選定を、AIが日本株全体で実行する。
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