定量条件
刀が独自指標で全社を計算する。
- 有報に「防衛省」「自衛隊」「防衛装備」「防衛関連」「防衛事業」「防衛・宇宙」「防衛予算」「防衛費」のいずれかを含む
防衛関連の会社とは見られていないが、国防向けの事業をきちんと持っている会社を探した。刀は有報に防衛の語を書く115社に絞り、AIが一社ずつ読んで、63社を支持した。
防衛省は2026年8月31日、来年度予算の概算要求として、過去最大の8兆8,908億円を決めた。AIによる意思決定の支援や、民生品を使って安く大量につくれる攻撃用無人機の開発などを盛り込んだ。無人機MQ-9Bは17機・2,922億円を求めた。年末の安保3文書の改定に左右される事業は、金額を示さずに要求している。
受け取る側の受注も膨らんでいる。三菱重工業・川崎重工業・IHIの防衛事業の受注残は、2026年3月期末で計6兆2,500億円と、前の期から15%増えた。3社とも受注高は過去最高だった。
2026年4月には、完成品の輸出を救難・輸送・警戒・監視・掃海の「5類型」に限っていた決まりが改められ、すべての防衛装備の移転が原則として可能になった。
防衛関連銘柄と言えば、重工3社や火器・弾薬のメーカーが挙がる。では、防衛関連の会社とは見られていないが、国防向けの事業をきちんと持っている会社はあるのか。刀で、有報から探した。
“Companies not seen as defense makers, that nonetheless run a real business supplying Japan's national defense.”
日本語訳:防衛関連の会社とは見られていないが、国防向けの事業をきちんと持っている会社。
有報に防衛の語を書く会社に単語条件で絞り、この企業像を問いにして英語で入れ、AIに有報を読ませた。
刀が独自指標で全社を計算する。
AIが有報を一社ずつ読み、支持と反証を判定する。
問いは英語で入れた。防衛を市場の動きや今後の計画として書いているだけの場合や、「生活防衛」「買収防衛策」のような言い方は含めない。
有報の文章を読み、63社を支持した。
115社の判定は、支持63社・要確認39社・反証あり13社だった。支持には三菱重工業・川崎重工業・IHIや、火器の豊和工業、防衛機器の石川製作所など、防衛関連銘柄の定番も並んだ。反証の多くは、電力会社や銀行など、防衛の語が別の意味で出てくる会社だった。以下は、支持のうち、防衛関連の会社とは見られていない10社。
「そして防衛施設関連事業では、第74期以降、大規模な海上土質調査業務に携わりました。」有報を見る ↗
「防衛施設整備に伴う海域環境監視調査」有報を見る ↗
「その他、数年前から本格スタートした防衛関連事業においても、地質・土質調査、構造物設計、交通、環境分野から建築分野まで幅広く積極的な展開を図ってまいりました。」有報を見る ↗
「当連結会計年度 国土交通省 21,453百万円 20.5% 防衛省 12,400百万円 11.8%」有報を見る ↗
「シンガポール政府90,168百万円11.4% 防衛省84,667百万円10.7%」有報を見る ↗
「当連結会計年度 防衛装備庁船舶事業10%~20%」有報を見る ↗
「防衛装備品事業航空機用電子機器の供給から始まった当社の防衛装備品事業は、舶用事業と同様に、顧客からの強い信頼を得ており、昨今の防衛力増強等も含め、防衛省のニーズに対応しております。」有報を見る ↗
「特に、防衛市場を最注力領域として、防衛市場向けの研究開発・販売を強化し、売上規模の更なる拡大を目指す。」有報を見る ↗
「これらに加え、注力領域向けの開発体制拡充、防衛分野の生産能力倍増により事業基盤強化を図るとともに、QCD(品質・コスト・納期)を重視した事業運営により、防衛事業で営業利益率10%以上の確保を目指し、安定した収益性と持続的成長を実現します。」有報を見る ↗
「特注・システム品は、前期の自動車衝突試験関連の大口案件の反動減があったものの、ダム関連の更新需要や高速鉄道向け台車温度検知装置、防衛関連などの大口案件により、売上高は5,182百万円(前期比1.2%増)となりました。」有報を見る ↗
結果は2026年10月11日の時点のものです。定性判定には当時の有報を用いていますが、定量スクリーニングには最新の財務データを用いています。
支持の中から、防衛省が売上の1割以上を占めると有報に書いた会社を並べた。武器や装備品の会社ではない。地質や環境の調査、建設コンサルタント、海の工事の会社だ。
| 会社 | 事業 | 防衛省向けの売上 | 売上に占める割合 | 前期 |
|---|---|---|---|---|
| 川崎地質 | 地質調査 | 39.2億円 | 30.9% | 13.9% |
| いであ | 環境調査 | 35.3億円 | 14.4% | 13.4% |
| 若築建設 | 海上土木 | 124.0億円 | 11.8% | 10.6% |
| 人・夢・技術グループ | 建設コンサルタント | 51.2億円 | 11.1% | 10%未満 |
| 五洋建設 | 海洋土木 | 846.7億円 | 10.7% | 10%未満 |
基地や港をつくる前には、地盤を調べ、周りの海の環境を測り、設計する。その仕事は、調査会社や建設会社に発注される。5社とも、防衛省向けの割合が前の期より上がった。
流れる先は、まだ広がりそうだ。2026年10月11日、政府が防衛関連経費の「公共インフラ整備」の対象に、鉄道を加える検討に入ったと報じられた。有事に自衛隊への物資や装備品を運ぶ経路を確保する狙いだ。鉄道を強みとする鉄建建設は、有報に「防衛省施設の強靭化に向けた投資の拡大が予想される」と書き、防衛関連工事を将来への布石となる案件に挙げている。
逆に、防衛関連銘柄としてよく名前が挙がる日立製作所の有報には、主要な項目に「防衛」が一度も出てこない。市場での呼ばれ方と、有報に書かれた事業は、必ずしも一致しない。
割合は、各社の有報に、売上の10%以上を占める相手先として書かれた値。
複雑な仮説も、独自の銘柄選定も。刀が独自指標で企業を絞り込み、AIが有報を読んで定性条件を判定する。あなたが一社ずつ行っていた選定を、AIが日本株全体で実行する。
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