刀 日本株スクリーナー
AIスクリーニング実例 · 2026年10月12日実行

液冷データセンター関連銘柄を、
日本株全体から探した。

AIデータセンターのサーバーを液体で冷やす部品や材料を、すでに売っている会社を探した。刀は有報に液冷まわりの語を書く42社に絞り、AIが一社ずつ読んで、6社を支持した。

背景

国内のデータセンターにも、液冷が入り始めた。

三菱商事と米デジタル・リアルティの合弁会社、MCデジタル・リアルティ(MCDR)は2026年10月7日、大阪府茨木市で「KIX15」データセンターの建設に着工したと発表した。サーバー用の電源容量は24MWで、開業は2028年第4四半期の予定。空冷と液冷のハイブリッド冷却に対応する。

AI向けの演算装置は発熱が大きい。ファンで空気を送る空冷に対し、演算装置に載せたコールドプレートに冷却水を流して熱を回収する水冷は、冷やす力が高い。米調査会社のDell'Oro Groupは2026年1月、データセンターの液冷市場が2025年に約2倍の30億ドル近くになり、2029年には約70億ドルに広がるとの予測を出した。大規模なAIの導入では、液冷は効率を上げる選択肢から、欠かせない要件に変わったとしている。

では、液冷の部品や材料を実際に売っている日本の会社はどこか。刀で、有報から探した。

01 / 入力

探したい企業像。

“AIデータセンターのサーバーを液体で冷やす仕組みに使われる製品・部品・材料を作っている会社を探したい。たとえば水冷モジュール、コールドプレート、冷却水の分配装置(CDU)、液冷用のラック、配管、冷却液など。研究開発の段階ではなく、すでに出荷や量産を始めている会社に絞りたい。”

有報に液冷まわりの語を書く会社に単語条件で絞り、この企業像を2つの問いにして英語で入れ、問いの順にAIに有報を読ませた。

02 / 条件

この条件で、日本株全体を調べた。

A

定量条件

刀が独自指標で全社を計算する。

  1. 有報に「液冷」「水冷」「液浸」「冷却液」「液体冷却」「CDU」のいずれかを含む
B

定性条件

AIが有報を一社ずつ読み、支持と反証を判定する。

  1. データセンターのサーバーを液体で冷やすのに使う製品・部品・材料(コールドプレート、水冷モジュール、冷却水の分配装置、液冷用のラック、配管、冷却液など)を売っているか。
  2. 研究開発だけでなく、それらの出荷や量産をすでに始めているか。

問いは英語で入れ、上から順に判定した。

約3,800社対象とする上場企業
42社定量条件に一致
6社AIが支持と判定
刀は

有報の文章を読み、6社を支持した。

03 / 結果

支持は6社。要確認の古河電工を加えた7社を、原文で確かめた。

42社の判定は、支持6社・要確認9社・反証あり27社だった。反証には、半導体の露光に使う「液浸」や、EVや製鉄の「水冷」のように、同じ語が別の意味で出てくる会社が多かった。以下は、支持の6社と、要確認の古河電工。

  • ニデック6594 · 電気機器

    「また、MCデジタル・リアルティ社のデータセンター内「DRIL(Digital Realty Innovation Lab)」においてIn-Row型CDUの稼働を開始したほか、Google社が提唱しOCP(Open Compute Project)規格に準拠した「Deschutesプロジェクト」対応In-Row型CDUの開発を完了し、国際会議「Super Computing 2025(SC25)」に出展いたしました。」有報を見る ↗モータの会社。AIサーバ向けに、CDU(冷媒分配機)や液冷モジュールの開発を進める。CDUが動き始めたのは、KIX15を建てるMCデジタル・リアルティのデータセンター内の研究施設だ。

  • 三櫻工業6584 · 輸送用機器

    「一連の活動の成果もあり、2025年4月にはデータセンター向けの水冷/液冷式熱マネジメント部品「ボールバルブ継手」「シャットオフコネクタ」の新規開発・試験評価が完了し、受注販売の開始に漕ぎ着けることができた結果、2025年9月には国内の複数の顧客から水冷モジュールやボールバルブ継手を複数量受注するに至りました。」有報を見る ↗自動車の配管の会社。配管の技術をデータセンターの水冷に転用し、2025年9月に国内の複数の顧客から水冷モジュールや継手を受注した。

  • 古河電気工業5801 · 非鉄金属

    「主力拠点FURUKAWA ELECTRIC THERMAL MANAGEMENT SOLUTIONS & PRODUCTS LAGUNA, INC.(フィリピン)の水冷モジュール製造工場を拡張し、また当社平塚工場で関連設備を増強し、2026年9月の量産開始に向けた準備を進めました。」有報を見る ↗判定は要確認。有報には、水冷モジュールの工場の拡張と量産の準備が書かれている。2026年3月には、水冷モジュールの売上を2030年度に4,000億円とする計画を発表した。

  • 日東工業6651 · 電気機器

    「『液冷サーバ用ラック』や『水冷リアドア空調機付ラック』をはじめとする熱対策製品を展開することで、データセンターの空調効率改善や省エネルギー化に貢献します。」有報を見る ↗配電盤の会社。データセンター向けに、液冷サーバ用ラックや水冷リアドア空調機付ラックを展開する。

  • フジクラ5803 · 非鉄金属

    「サーマル製品については、生成AIや大規模データ解析に使われるCPU/GPUの高発熱化に対応するため、独自構造を持つ新型コールドプレート、3Dベーパーチャンバの高性能化に取り組んでいます。」有報を見る ↗光ファイバの会社。サーマル製品として、CPU/GPU向けのコールドプレートに取り組む。有報の「液冷」は、EV急速充電器のケーブルの話でも出てくる。

  • コスモエネルギーホールディングス5021 · 石油・石炭製品

    「またデータセンター向けの液浸冷却液として「コスモサーマルフルード」シリーズをラインナップ化し、熱対策事業の強化を図っております。」有報を見る ↗石油元売り。サーバーを液体に沈めて冷やす液浸冷却向けに、冷却液をシリーズでそろえた。

  • パナソニックホールディングス6752 · 電気機器

    「データセンターの高発熱・高密度化が進む環境を踏まえ、液冷式冷却技術への対応として、高効率・小型・長寿命を実現したデータセンター向け次世代型冷却水循環ポンプを開発しました。」有報を見る ↗ポンプ事業で、液冷のデータセンター向けに次世代型の冷却水循環ポンプを開発した。有報の書き方は「開発しました」まで。

詳細な結果を見る

結果は2026年10月12日の時点のものです。定性判定には当時の有報を用いていますが、定量スクリーニングには最新の財務データを用いています。

04 / 考察

液冷の部品を売る会社は、まだ立ち上げの途中にいる。

支持の6社と、要確認の古河電工について、有報に書かれた液冷の事業の段階を並べた。

会社液冷で売るもの有報に書かれた段階
ニデックCDU・液冷モジュールMCデジタル・リアルティの施設でCDUが稼働
三櫻工業水冷モジュール・継手2025年9月に国内の複数の顧客から受注
古河電工水冷モジュール2026年9月の量産開始に向けて準備
日東工業液冷サーバ用ラック製品を展開
コスモエネルギーHD液浸冷却液シリーズをラインナップ化
パナソニックHD冷却水循環ポンプ開発した
フジクラコールドプレート高性能化に取り組み中

実際のデータセンターで動き始めた、受注した、と書いたのは、ニデックと三櫻工業だった。残りは、製品の展開や開発、量産の準備の段階にある。

いちばん大きな計画を出しているのは古河電工だ。2026年3月、水冷モジュールの売上を2027年度に1,000億円以上、2030年度に4,000億円とする計画を発表した。2026年3月期の売上高1兆3,076億円の約3割にあたる。

逆に、液冷データセンターの関連銘柄としてよく名前が挙がる富士通・NEC・NTTの有報には、主要な項目に液冷も水冷も出てこない。KDDIは、液冷を自社のデータセンターで使う側として書いている。関連銘柄の一覧と、有報に書かれた事業は、必ずしも重ならない。

あなたの投資先選びを、そのままAIに。

複雑な仮説も、独自の銘柄選定も。刀が独自指標で企業を絞り込み、AIが有報を読んで定性条件を判定する。あなたが一社ずつ行っていた選定を、AIが日本株全体で実行する。

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