定量条件
刀が独自指標で全社を計算する。
- 有報に「液冷」「水冷」「液浸」「冷却液」「液体冷却」「CDU」のいずれかを含む
AIデータセンターのサーバーを液体で冷やす部品や材料を、すでに売っている会社を探した。刀は有報に液冷まわりの語を書く42社に絞り、AIが一社ずつ読んで、6社を支持した。
三菱商事と米デジタル・リアルティの合弁会社、MCデジタル・リアルティ(MCDR)は2026年10月7日、大阪府茨木市で「KIX15」データセンターの建設に着工したと発表した。サーバー用の電源容量は24MWで、開業は2028年第4四半期の予定。空冷と液冷のハイブリッド冷却に対応する。
AI向けの演算装置は発熱が大きい。ファンで空気を送る空冷に対し、演算装置に載せたコールドプレートに冷却水を流して熱を回収する水冷は、冷やす力が高い。米調査会社のDell'Oro Groupは2026年1月、データセンターの液冷市場が2025年に約2倍の30億ドル近くになり、2029年には約70億ドルに広がるとの予測を出した。大規模なAIの導入では、液冷は効率を上げる選択肢から、欠かせない要件に変わったとしている。
では、液冷の部品や材料を実際に売っている日本の会社はどこか。刀で、有報から探した。
“AIデータセンターのサーバーを液体で冷やす仕組みに使われる製品・部品・材料を作っている会社を探したい。たとえば水冷モジュール、コールドプレート、冷却水の分配装置(CDU)、液冷用のラック、配管、冷却液など。研究開発の段階ではなく、すでに出荷や量産を始めている会社に絞りたい。”
有報に液冷まわりの語を書く会社に単語条件で絞り、この企業像を2つの問いにして英語で入れ、問いの順にAIに有報を読ませた。
刀が独自指標で全社を計算する。
AIが有報を一社ずつ読み、支持と反証を判定する。
問いは英語で入れ、上から順に判定した。
有報の文章を読み、6社を支持した。
42社の判定は、支持6社・要確認9社・反証あり27社だった。反証には、半導体の露光に使う「液浸」や、EVや製鉄の「水冷」のように、同じ語が別の意味で出てくる会社が多かった。以下は、支持の6社と、要確認の古河電工。
「また、MCデジタル・リアルティ社のデータセンター内「DRIL(Digital Realty Innovation Lab)」においてIn-Row型CDUの稼働を開始したほか、Google社が提唱しOCP(Open Compute Project)規格に準拠した「Deschutesプロジェクト」対応In-Row型CDUの開発を完了し、国際会議「Super Computing 2025(SC25)」に出展いたしました。」有報を見る ↗
「一連の活動の成果もあり、2025年4月にはデータセンター向けの水冷/液冷式熱マネジメント部品「ボールバルブ継手」「シャットオフコネクタ」の新規開発・試験評価が完了し、受注販売の開始に漕ぎ着けることができた結果、2025年9月には国内の複数の顧客から水冷モジュールやボールバルブ継手を複数量受注するに至りました。」有報を見る ↗
「主力拠点FURUKAWA ELECTRIC THERMAL MANAGEMENT SOLUTIONS & PRODUCTS LAGUNA, INC.(フィリピン)の水冷モジュール製造工場を拡張し、また当社平塚工場で関連設備を増強し、2026年9月の量産開始に向けた準備を進めました。」有報を見る ↗
「『液冷サーバ用ラック』や『水冷リアドア空調機付ラック』をはじめとする熱対策製品を展開することで、データセンターの空調効率改善や省エネルギー化に貢献します。」有報を見る ↗
「サーマル製品については、生成AIや大規模データ解析に使われるCPU/GPUの高発熱化に対応するため、独自構造を持つ新型コールドプレート、3Dベーパーチャンバの高性能化に取り組んでいます。」有報を見る ↗
「またデータセンター向けの液浸冷却液として「コスモサーマルフルード」シリーズをラインナップ化し、熱対策事業の強化を図っております。」有報を見る ↗
「データセンターの高発熱・高密度化が進む環境を踏まえ、液冷式冷却技術への対応として、高効率・小型・長寿命を実現したデータセンター向け次世代型冷却水循環ポンプを開発しました。」有報を見る ↗
結果は2026年10月12日の時点のものです。定性判定には当時の有報を用いていますが、定量スクリーニングには最新の財務データを用いています。
支持の6社と、要確認の古河電工について、有報に書かれた液冷の事業の段階を並べた。
| 会社 | 液冷で売るもの | 有報に書かれた段階 |
|---|---|---|
| ニデック | CDU・液冷モジュール | MCデジタル・リアルティの施設でCDUが稼働 |
| 三櫻工業 | 水冷モジュール・継手 | 2025年9月に国内の複数の顧客から受注 |
| 古河電工 | 水冷モジュール | 2026年9月の量産開始に向けて準備 |
| 日東工業 | 液冷サーバ用ラック | 製品を展開 |
| コスモエネルギーHD | 液浸冷却液 | シリーズをラインナップ化 |
| パナソニックHD | 冷却水循環ポンプ | 開発した |
| フジクラ | コールドプレート | 高性能化に取り組み中 |
実際のデータセンターで動き始めた、受注した、と書いたのは、ニデックと三櫻工業だった。残りは、製品の展開や開発、量産の準備の段階にある。
いちばん大きな計画を出しているのは古河電工だ。2026年3月、水冷モジュールの売上を2027年度に1,000億円以上、2030年度に4,000億円とする計画を発表した。2026年3月期の売上高1兆3,076億円の約3割にあたる。
逆に、液冷データセンターの関連銘柄としてよく名前が挙がる富士通・NEC・NTTの有報には、主要な項目に液冷も水冷も出てこない。KDDIは、液冷を自社のデータセンターで使う側として書いている。関連銘柄の一覧と、有報に書かれた事業は、必ずしも重ならない。
複雑な仮説も、独自の銘柄選定も。刀が独自指標で企業を絞り込み、AIが有報を読んで定性条件を判定する。あなたが一社ずつ行っていた選定を、AIが日本株全体で実行する。
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